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T5+の難易度表記について

2018年に入ってから、ドイツ語でHochtour、英語ではHigh mountain tourと呼ばれる、文字通り標高の高い場所やフル装備の必要な山を訪ねる機会が増えて来ました。ここらでカテゴリ分けをもう少し細分化することにしました。

T5+とかT6という表記の後ろに括弧でL, WS, ZSなどという表記をするようにしていますが、一体何のことやら。。。という質問を頂いたもので、SAC, スイスアルペンクラブの公式見解を参考にまとめてみますね〜。
最初のL、簡単ということですが、T5以上の難しさの中では簡単、ということですのでご注意くださいまし。

L : Leicht 簡単
難しい岩場、がれ場横断はほとんどない。ほとんど割れ目のない氷河横断。崖登りは距離も短く問題ない範囲。

WS : Wenig Schwierig ちょっとだけ難しい
ほとんどの場所が普通に歩ける。崖登りはルートが取りやすく、危険な場所はほとんどない。あまり割れ目のない氷河横断。

ZS : Ziemlich Schwierig かなり難しい
途中、安全確保をするべき場所が何カ所もある。ルート確保の為のオリエンテーリング能力が必要。崖登りには危険を伴う場所がある。自分の安全確保の為の安全装置が必要。割れ目の多い氷河横断。

S : Schwierig 難しい
効率的なザイルさばきが必要。崖登りは距離が長く、自己安全確保用、安全装置が必須。横断に危険の伴う氷河。

SS : Sehr Schwierig とても難しい
AS : Äusserest Schwierig 特別に難しい

マテリアル

ハーネス : Gestältliってスイスドイツ後では言います。腰と太ももに装着します。ここにザイルをつないだり、マテリアルを引っ掛けたり。High mountain tourには必須のマテリアルです。

ザイル : 難しさの分からない山では40mのザイル。心の平安の為には10mのザイル。40mのザイルは重さも3kgほどになるので、臨機応変に使い分けています。

ヘルメット : 見た目は悪いんですけれど、絶対にあったほうがいい装備です。私の頭はあんまり性能がよくないですが、それでも、傷ついたり壊れたりしたら元も子もないですからねえ〜。

カラビナ : バンドシュリンゲと一緒にいつでもリュックサックに入っています。自己安全確保や、簡単にザイルシャフトの安全を確保するのにかなり便利なコンビネーションです。

エクスプレス、フレンド : この辺りは行く山によって過不足無く持って行きます。時々計算違いで足りなくなったりするんですけれど、そんな時にはバンドシュリンゲとカラビナコンビが登場したりします。

アイスシュラウベン : 日本語では何って言うんでしょうねえ。。。。先っぽにハーケンの着いたネジで、氷や雪で恒常的にハーケンを設置することができない場所で活躍します。

まだまだ色々なマテリアルがあるんですけれど、我らが使うのはこの辺りです。


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by alpinistin | 2018-10-22 02:54 | 基本情報

Amden-Mattstock-Kleine Nase-Amden

出発地 Amden
到着地 出発地と同じ
登山日 2018年10月19日
難易度 T5+
標高差 1000m

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今日はちょっと変わった登山、というか洞窟探検というかをしてきました。
これは洞窟の出口から見えた景色。ちなみにここから外へは降りられません。断崖絶壁です。あははは。

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まずは普通の登山道でMattstock, 1935mまで1000mほどさくっと登ります。Mattstockから見た本日の目的地。Zentralplatteと呼ばれる、カルキの岩で出来た頂上、Kleine Nase, 1930mというのかなあ?いまいち名前が分からない頂上です。

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まあ、ルートのお話は省略して(マーキングは例によってありません。代わりに何個かハーケンが設置してありましたので、ザイル持参でお願いします。)洞窟の入り口です。

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まずは垂直に数メートル降ります。Abseilenしなくて、普通に両手動員の崖下りで下れます。
その後、一カ所かなり面倒な下りをしたら、あとは四つん這いです。一カ所はリュックサックをデポして、お腹を地面に着けてなんとか岩の間を這って。。。。。

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この奥がそうです。太った人は通れません。。。。

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ここは四つん這いで通れました。あははは。一体何やっているんでしょうねえ。。。まあ、どうにかこうにかここを通り抜けると、一番上の写真のような景色が広がっている、ということです。

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で、洞窟から戻った後はKleine Naseの頂上を目指します。右奥にMattstockが見えています。結構人もいますねえ。。。そしてこちらから人が見える、ということは向こうからも私たちが見える、ということ。人だらけのMattstockで休憩などという無粋なことはしない私たち。ここでのんびり休憩です。

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下山はMattstockを経由する、ということで例の崖を渡ります。カルキなのでグリップが効いて歩きやすいです。とはいえ、ここで滑って落ちたらただでは済みませんから慎重に渡ります。ここにハーケンがあったのは嬉しかったです。(ハーケンがあるということは、またマテリアル回収係。まあいいんですけれどね。)

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ここは普通に歩けるほどの幅がありましたよ。

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さっき渡って来たところです。

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次の難所はこの煙突。これ、ぐるりと回れないかなあ?と様子を見てみるものの、どうやら登らないことには通過出来ない様子でしたので、ここも上までよじ上ります。

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まあ、いつものことです。(苦笑)
で、無事にMattstockに到着。頂上にいた人達に、あんた達は一体どこからやって来たんだ?と質問されたりしつつ。ザイルなんかをリュックサックに仕舞ってさあ下山しましょう、というところで、Ch氏がサングラスを忘れた!ということ。ええ???どこに?多分洞窟の入り口!ぎゃあああああああ。。。。。
ということで仕舞ったザイルやらハーネス?やらをまた装着して、来た道を戻ります。この崖登り、とっても楽しかったので、思いがけずもう一度歩けて、ルンルンです。サングラスも無事に見つけて、本日4度目になる壁通過。3度目の正直のMattstock到着後、無事下山しました。

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by alpinistin | 2018-10-20 06:01 | T5+ 装備必要な山 | Comments(6)

Braunwald-Höch Turm-Gumen

出発地 Braunwald
到着地 Gumen, Braunwald
登山日 2018年10月8日
標高差 1400m
難易度 T5+ (ZS, IV)

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7月に一度挑戦して時間切れ、マテリアル不足にて撤退9月頭に裏側から挑戦したHöch Turm, 2666mに、7月に挑戦したルートにて再挑戦、足に痣が5つ程できたものの無事に成功しました。

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もう何度も登ったり降りたりしすぎて新鮮味がないもので、Bärentrittを経由してひたすらテンポをあげて登り、Ortstockfurggel, 2394mまで到着しました。Braunwaldから2時間で1100mくらい登った計算ですから、かなり速いテンポだったことになります。(ガイドの時にはこんな無茶な登り方はしませんのでご安心ください?!)ちなみにLauchbodenからはかなり雪があります。シュタイクアイゼンなしで登れましたが、ルート設定がなかなか分かり難いです。気をつけてください。上から引き返して来た女性に会いました。

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まずは第一関門。ここは結構余裕で通過しました。一度通過しているところは意外と体が覚えているみたいです。

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前回、マテリアル不足で引き返した問題の場所。後になって考えてみれば、マテリアルだけでなく、心の準備も全然出来ていませんでした。あはははは。

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まずはCh氏が足場も手の置き場も1cmあればラッキーという壁を通過します。
私の役目は安全装置を回収しながら壁を横断することです。エクスプレスが引っかかっている場所が意外にも高い場所で、怖かったです。(もし回収できなければその時は無理するな、というCh氏の言葉を信じて、それでも頑張って全て回収しました。)

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こんな壁ですよ。。。。渡る前に深呼吸をし、精神を落ち着けます。そして、1cmでも足場のある所では立ち止まってまた深呼吸。ここは本当に嫌〜な場所、その1でした。

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壁を渡ったあとはこんな登りです。ここ、岩が濡れてツルツルだったんです。足場は相変わらずまったくありません。まさかここで無理、引き返すという訳にも行きませんので、何度も足場を探し、なんとか通過。ここはCh氏にとっても今まで登った中でも一番難しい登りのうちのひとつだったとのこと。

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写真左下にちらりと写っているエクスプレスという安全装置、これの回収、手こずりました。

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安全な場所に着いた時点でカラビナとバンドシュリンゲをハーケンに引っ掛けて安全確保をしてから、さっき渡って来た崖の写真撮影。こうして見ると、Überhang(角度が90度以上の崖)だったことがよく分かります。。ああ、恐ろしや。(ちょうどビール腹みたいな部分のちょっと下にハーケンがあって、人間はさらにその下を渡ることになります。足場がないの、分かります???)

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こんな雪の横断がへっちゃらになってきます。というか、靴のソールが全部地面に着ける喜び。。。。。

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ちなみにこんな安全装置が隠れるように5つほど設置されていました。(カラビナは私のもので、設置されていた安全装置に便乗して自分の安全確保です。)

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こんな壁渡りが大した事なく思えてしまう私。。。。頭の感覚がちょっとおかしくなってくるのを実感しました。

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で、頂上!

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Luzern方面は霧の中みたいです。

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まあ逆光の写真なので載せてもいいでしょう。。。前回とは喜びの度合いも違います。

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ちなみに本日の私のクリスマスツリー飾りはこんな感じでした。わははは。エクスプレスが途中で足りなくなり、途中でCh氏のクリスマスツリーと私のクリスマスツリーを行ったり来たりする場面もあったものの、Furggelから2時間弱で到着しました。

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頂上でGipfelbuchという記入帳を読んでいたら、先週土曜日に裏側から登った人の記録に、雪がかなりあるから気をつけろ、という書き込みを発見。前回ツルツル滑って危なかった場所もシュタイクアイゼンを履いてガンガン(というほどではないものの)下れました。
下りの難所は丁度太陽の光であまりよく見えない雪原下りでした。急斜面でリュックサックなんかを落とさないようにして、なんとかシュタイクアイゼンを履くというのは結構至難の技でしたよ。

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Höch TurmとOrtstock, 真ん中の急斜面は普通の登山道!!なんですよ。LauchbodenからOrtstockへ登る際に使うルートです。峠の真ん中がOrtstock Furggelです。

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そしてErigsmattへ向けて道無き道を、時にはずるずる滑りながら降ります。

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ここからがまた長い。。。。疲れている足に容赦なくのしかかる嫌〜な登り下り。。。。。
でも、Gumen直前でこんな素敵な景色を見られたら報われる、というものです。
ということで7月からの念願がようやく叶って登って来ました。

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by alpinistin | 2018-10-10 05:09 | T5+ 装備必要な山 | Comments(4)

Obersee-Rautispitz-Wiggis-Obersee

出発地 Obersee, 車でないとちょっと難しいです。
到着地 出発地と同じ
登山日 2018年9月29日
標高差 1300m
難易度 T4

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今回はガイド登山でした。Bächistockへ一緒に登ったKさんからの依頼で、Alpabzug(牛さん達の下山行進)が見られる山で、ひとりでは登るのが難しい山、という難しい注文です。。。。
ということでObersee, 992mからRautispitz, 2283m、100mほど下ってからお隣の頂上、Wiggis, 2282mを経由して下山というコースを設定しました。
朝、車から降りると、すでに下山準備を整えた牛さんたちが今年最後の山の空気を吸いながら草をもぐもぐしていました。

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最初は急登な上に、ジープ等の走れる林道をひたすら歩きます。帰りはツルツル滑ること確定の嫌な登り。
林道を1時間ほど歩くといよいよ本格的な登山道になります。この頼り無さげなザイル、はっきり言って必要ありません。ここの岩場、というかこの山、濡れた岩がツルツル滑るので気をつけてくださいまし。

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マーキングは十分にありますが、所々マーキングを外れたほうが登りやすい場所もあります。Kさん、頑張って登っていますよ。

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天気予報に反して霧だったこの日、ようやく霧が晴れて来たのが2000mを超えた辺りでしょうかねえ。。

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頂上まで後少しです。(ちなみに真ん中に写っている頂上はWiggisです。ここの登り、雪があったり濡れているとかなり危険な場所なのでしっかりチェックしています。)

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はい、頂上!この日は下界のあちこちから牛さんのベルの音がガランゴロン聞こえて来ます。(州によって牛さんを下界へ戻す日時が決まっていて、グラルス州ではこの週末が期限だったんですよ。)

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Zindlenspitz、3姉妹もよく見えていました。

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これから登るWiggisと、その後ろにはGlärnischがそびえています。

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はいはい、いつもこんな調子でふざけてばかりいるんですよね〜。

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次、行きます。ここは地面が濡れていたらやめた方が良い登山道ですよ。ちなみに青白マーキングになっていました。今回、万が一に備えて、クリスマスツリーグッズを少しだけリュックに忍ばせていました。

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ここ、いつもなら山羊さんとかが沢山いるんですけれど、この日はお目にかかりませんでした。

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おお、さっきまでいたRautispitzです。

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で、ここでも記念撮影。最近、山へ行く事も少なければ1000m以上登ったのも久々だったので、大丈夫かなあ?と心配していましたが、なんとかなるもんですね。

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Fronalpstock, Mürtschen, なんかがよく見えています。

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こちらは、左奥に我がChurfirstenが並んでいます。
随分のんびりしてから、下山してきました。Kさんはまさか、Alpabzugと山なんていう難題を叶えられるなんて思っていなかったそうで、大感激してもらい、ほっと一安心の山登りでした。

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by alpinistin | 2018-10-01 01:43 | T4 難しい登山 | Comments(4)